一人でいくつの自治体を受験できる?

一人でいくつの自治体を受験できる?

教員採用試験の実施主体は、都道府県と政令指定都市合わせて、60以上あります。ならば、いっそ「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」の法則で、すべての自治体を受験してしまえ!…なんて思っても、それが無理なことくらいは、教師を目指す人ならご存じですよね。

そうです。教員採用試験は、隣接する自治体を併願できないように、日程が組まれているのです。

例えば関東地方の1次試験日程(平成25年実施)を見てみると・・・

茨城県 7月14日
栃木県 7月7日~14日
群馬県 7月14日
千葉県 7月14日
埼玉県 7月14日
東京都 7月14日
神奈川県 7月14日

ご覧のとおり、見事なまでに「7月14日(日)」でそろえられています。これでは、併願なんてできるはずもありません。

同じように、関西地方は7月13日前後、九州地方は7月21日前後、東北地方は7月28日前後、といった具合に、隣接する自治体同士が足並みを揃えています。なんだか、いじわるな感じがしますね。

でも、考えてみてください。もし、東京、横浜、埼玉、千葉などを併願することができたら、中には1人で3~4自治体の合格を勝ち取る人も出るでしょう。そうなれば、採用する側は大変です。補欠合格を次々と出すなど、対応にてんやわんやになるでしょう。隣接する自治体が日程をそろえている背景には、そうした事情があるのです。

一方で、地理的に離れた地域なら併願が可能です。例えば以下のようなスケジュールで受験していけば、計6回の1次試験を受けることができます。

6月30日 北海道 → 7月7日 新潟県 → 7月14日 東京都
7
月20日 愛知県 → 7月21日 兵庫県 → 7月27~28日 宮城県
(平成25年の試験日程)

これくらいが限界点でしょうか・・・。ただし、すべて1次試験を突破できても、愛知県と兵庫県の2次試験は、ダブルブッキングする可能性があります。

参考までに、東京に住む人が上記のスケジュールで受験していくと、かかる交通費と宿泊費の概算は、約12~13万円に上ります。

これは極端な例としても、1人で3~4自治体を受けるという人は、珍しくありません。幸い、受験料はかかりませんし、重ねて受験することで、面接対応も上達します。

もし、時間とお金に余力があるならば、採用試験へのモチベーションの維持や本番を体験して力をつけることなどのメリットの他に、ついでにご当地の観光も含めて複数の自治体を受けてみるのも、悪くないかもしれませんね。