教師の給料は民間企業と比べてどうなの?

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教師になろうか、それとも民間企業に行こうか…。そう悩んでいる学生にとって、やはり気になるのがお給料です。教師の給料が、果たして民間よりも「高い」のか「低い」のか。ごく簡単にですが、比較をしてみました。

まず、公立学校の教師ですが、総務省が公表する「平成24年地方公務員給与実態調査結果の概要」によると、小中学校の教師の月の平均給料(諸手当を含む)は40万5,388円です。「そんなにもらえるの!」と驚く大学生がいるかもしれませんが、これは全教員を含めた平均値の話。初任者は、20万円前後です。

一方で、民間企業はというと、国税庁が公表する「民間給与実態統計調査」によると、約34万円(平均年収408万円を12ヵ月で割った金額)。

軍配は教師に上がります。採用試験に合格することの大変さ、人に知識や知恵を教えるという仕事の特性などを考えれば、ある意味で妥当なところかもしれません。

ただ、単純に比較できない部分もあります。まず、教師には残業手当がつきません。その代わりというわけでもありませんが、一律4%の「教職調整手当」が給与額に上乗せされます。平均給料40万5,388円には、この「教職調整手当」が含まれていますが、実際には4%では到底足りないくらい、勤務時間外に明日の授業準備などの仕事をしている教師が多くいるのも現状です。

教師という仕事は、仕事とプライベートの境目があいまいです。勤務時間終了後でも、子どもが何か問題を起こせば、呼び出されることがあります。部活動の顧問になれば、休日も指導に借り出されます。校長先生になれば、地域の行事に呼ばれることも少なくありません。

そう考えると、「アフター5」があって、基本的にONとOFFが明確な民間企業人との給料差(約6万5,000円)は、あってなきものに等しい…と言えるかもしれません。

 

ただ、教師によって、忙しさには差があるのも事実です。月の残業が200時間近い人もいれば、残業がほとんどない人もいます。この差がなぜ出てくるかはあらためて解説しますが、いずれにせよ、教師になるのならば多少の残業は覚悟しておいたほうがよいでしょう。

 

仕事が「忙しい」「大変」と思うか否かは、その人次第です。教師の中には、授業を少しでも面白くするためにと、プライベートの時間を割いて、教材研究に明け暮れる人もいます。

 

それは、「やらされている」のではなく「やりたくてやっている」のであり、その先生にとっては「大変」というより「楽しい」時間にほかなりません。そんなふうに、仕事を「楽しい」と思えるようになれば、残業という意識は薄れることでしょう。