~監修の言葉~
金山 康博(共栄大学教育学部教授、教採試験対策部長)
教師は責任を負わされる仕事ではなく、「責任を持って」仕事をする職種です。年齢、キャリアに関係なく、自分の仕事(担当の児童生徒に教育指導する職務)は、頼まれなくとも自らが責任を持って遂行する、高い職業倫理感のある職業です。その仕事の魅力は、子どもの成長の瞬間に遭遇できることです。「できた!わかった!」との一瞬に立ち会うなど、ポテンシャルの発見と促進に携わっています。教師の言動の一つ一つが、子どもたちに驚きと感動を与えられる崇高な営みです。
家庭教師や塾講師とも異なり、教師に求められる資質はまさに「集団指導力」にあると考えます。専門性や高い指導技術は当然のこととして、1年間預かる子どもたちを授業で、学級経営で、いかにその集団をまとめ、一人ひとりの成長の足跡を立証することができるか。そうした責務を担っています。個を大切にしてこそ集団ありきでもあります。そのためには、教師という人間性には、面接試験でも求められる「誠実さ」と「溌剌さ」を表すことが大切です。でも、「誠実さ」や「溌剌さ」は自分自身で表わすことが難しく、相手がどう受けとめるかの問題です。採用試験のための学習を通して、客観的な指導助言などを得て、それをしっかりと身に付けたうえで、子どもたちの前に登場したいものです。
教育の目的は「人格の完成」にありますが、今日の社会において教師が果たす役割を考えたとき、義務教育修了する子どもたちには、まずは「社会的自立のできる人間性を育む」ことにあると考えます。学校教育は、学力を付けることはもとより、社会へ巣立つまでの準備期間でもあります。ものの善悪の判断が確実に身に付くよう学習を行い、そして、世の中に加害者を生み出さないことも、究極の学校教育の果たす役割かもしれません。
本サイトの「ぷらすわん研修会」は、教員採用試験合格という関門を通り抜けることを短期目標としていますが、本採用教員として学校現場で児童生徒の前に立ったときに、骨太の教師として、学校組織の即戦力となるよう参加者が相互に研鑽に励む場でもあります。教員採用試験を受けることですでに教員としての研修が始まっていると考え、この研修(勉強)会へ参加することによって、参加者の日常の自己研鑽に何か「一つでも獲得できる」ことを期待して“ぷらすわん”と名づけました。
学生(大学4年生)や臨時的任用教員(講師等)、社会人(免許状所有者等)など多彩な受講生が集う中、参加者同士の相互感化もあります。講師陣(大学教員、現職教師等)が試験問題に直結した内容で、個別指導も含めて親身になって指導します。
教員採用試験の勉強の場を求めるのには、小さな勇気が必要です。最大の敵はあなた自身の羞恥心です。さあ、一歩踏み出しましょう!
金山康博(かなやま・やすひろ) 【略歴】 |