教員免許状は、基本的に学校種別に分かれていますが、例外の一つがこの養護教諭です。「養護教諭」というより、「保健室の先生」といったほうが、子どもたちには馴染み深いでしょう。
「保健室の先生」といえば女性をイメージする人が多いですが、決して女性に限定された資格ではありません。最近は、保育士や看護師などの領域への男性の進出も進んでいます。志のある人は、ぜひ目指してみてください。
それでは、養護教諭教員免許状取得までの道のりを見て行きましょう。
まず、最低限必要なこと。それは、「高等学校を卒業していること」です。中卒では原則として教師になれません。ただし、大検(大学入学資格検定)に合格していれば大丈夫。この点は、他の教員免許状と同じです。
高校卒業(大検合格)後の道のりは、大きく二つに分かれます。
①小学校教員養成課程のある大学の学部・学科に進学 |
②上記①以外の大学に進学後、他大学へ編入or通信教育課程などで必要な単位を取得 |
③保健師資格を持ち、かつ特定の単位を履修している人が自治体に申請 |
養護教諭になりたい人の多くは①の道のりを選択します。養護教諭の教員免許状が取れる大学は、以下のとおりです。
(平成21年4月1日現在)
一種免許状が取得できる大学数は、全国で143。小学校や中学校、高校よりも少なめです。また、よく見ていくと、特別支援学校の教員と同じく、私立よりも国立・公立が圧倒的に多いことがわかります。
①以外の大学へ進学した後、突如として「養護教諭になりたい!」と思い立った人には、②の道のりがあります。まずは、大学の教務課などに相談して、どうすれば免許状取得に必要な単位がそろうか、確認をするようにしましょう。
続いて③についてですが、この点については誤解をしている人も多いので、少し説明をしておきます。以前、保健師の資格があれば、養護教諭の二種免許を「申請」だけで取れるという状況がありました。事実、そうして取得した保健師もたくさんにます。
ただ、最近は状況が違います。保健師資格を持つ人が養護教諭の二種免許を取得するうえで、大学で必要な単位を取得している必要があり、以前はそれを証明する書類(履修証明)を出さずとも、申請が通っていました。ところが、それではマズイということで、国が「しっかり、確認するように!」と各自治体に指導するようになったのです。
そのため、保健師が養護教諭の免許状を取得するには、必要な単位を履修していなくてはいけません。そのことを知らず、必要な単位を履修しないまま、保健師と養護教諭の両方の資格を取れると思っている人がいるので、注意が必要です。