面接でよく出る「場面指導」への備え

場面指導

ここ最近、面接で「場面指導」を導入する自治体が増えています。教師としての素質を見るうえで、非常に有効だという認識が採用側に広がっているのでしょう。受験生としても、しっかりと対策しておきたいところです。

「場面指導」には大きく二つのパターンがあります。

一つは、自分なりの考えや対応の仕方を示す「口頭試問型」です。「授業中、ある子どもが突然、泣き出しました。どう対応しますか?」という質問に、「他の子どもに少し待つよう指示したうえで、その子を教室の外に連れ出し、話を聞きます」と回答するのが、この方式です。

もう一つは、対応を実際に演じて見せる「ロールプレイ方式」です。「授業中、ある子どもが突然、泣き出しました。どう対応するか、演じてみてください」と言われ、その対応を実際に演技するのです。

「みんな~、ちょっと静かに待っていてくれるかな。(泣いている子どもの所へ移動。顔を近づけて)ちょっと先生とあっちへ行こうか。(廊下へ移動)ねぇ、どうしたの?先生に話をしてみて」

これがロールプレイです。実際に、面接官の人(現職の校長先生!)が、「え~ん!え~ん!」と、泣いている子ども役をすることもあります。ちょっと、困惑してしまいそうですが、恥ずかしいなどとは言ってはいられません。模擬授業や場面指導の最大の敵は羞恥心です。

「場面指導」で出される問題は、実際の教育現場で、起こり得るものばかりです。それだけに、面接官も、受験生がどんな対応をするのか、興味深く見ます。対応の仕方はもちろん、声のかけ方、表情、しぐさなど、その人の人間性を含めた全体像を見て「教師にふさわしいか否か」を判定するのです。

いずれにしても、場面指導のポイントは時系列的に対応することです。そのために、「この場面に遭遇した私は“まず”何をすべき」かを瞬時に考え、行動に移すことです。

「まず」→「次に」→「それから」と順を追っていくことが大事なのです。

場面指導への対策は、非常に難しいものがあります。教職教養の「生徒指導」の領域をしっかり学んだだけでは、決して十分とは言えません。

有効な対策の一つは、各自治体で過去に出された質問例を洗い出し、一つずつ演じてみることです。可能であれば、大学の先生や現場の先輩に、その対応を見てもらい、改善点を指摘してもらうと良いでしょう。

ここでも「恥ずかしい」などと言っていては、いけません。こうしたロールプレイの練習を重ねれば、本番で自然と身体が動き、声も出てくれるはずです。必ず、場面指導の対策はしたうえで、面接本番に臨んでください。

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