2014(平成26)年度の日程・プログラムが確定しました!

たいへんお待たせいたしました!
今年度の「ぷらすわん研修会」、開催日程とプログラムが確定しました。
第1回は、4月12日(土)の18(午後6)時開始、そこから6月まで、昨年と同じく全10回の開催です。

昨年度以上に密度の濃い、充実した内容となっておりますので、ぜひご参加ください。

なお、第9回、10回の日時のみ未定となっておりますが、こちらは4月上旬に決定予定です。追ってご案内申し上げます。

■2014(平成26)年度の日程・プログラム

日程・プログラムは、こちらからご覧になれます。

事前の申し込み等はいりませんので、当日飛び込みでも結構ですので、ぜひご参加ください。

講座の詳細、参加にかかる費用等につきましては、事務局までご連絡ください。お待ちしております!

■お問い合わせ(事務局・佐藤まで)

株式会社コンテクスト(担当:佐藤宛): info○kyousai-goukaku.net 

※上記○を@に変更してお送りください。(スパムメール防止のため)

平成25年度受講生 合格者の声

「親身になってくれる先生と同じ夢を持つ仲間がいます!」上遠野舞

上遠野 舞さん(東洋大学→栃木県小学校教員) 

 幼い頃からあこがれていた小学校の先生。その夢へと私を導いてくれたのは、ぷらすわん研修会でした。
 私は教採2度目の挑戦でしたが、2年目は栃木で臨採をやっているため、栃木から埼玉に通いました。忙しい日々の中、モチベーションが下がってしまいそうなこともありましたが、研修会に参加することで「合格したい」という気持ちを強く持ち続けることができました。
 ぷらすわん研修会では、先生方との面接、論文指導、模擬授業や集団面接・討論練習などそれぞれの受験に応じて、温かく、時に厳しく指導していただけます。そして、ここには相談したら親身になって話を聞いて下さる先生方、同じ夢を持つ仲間たちがいます!
 合格を目指している皆さん、ぜひぷらすわん研修会で合格への一歩を踏み出してください。応援しています!

「“ぷらすわん”無しに、合格はありませんでした」松澤達成

松澤 達成さん(東洋大学→埼玉県中学校社会科教員)

 ぷらすわん研修会は論文・面接・模擬授業など、採用試験合格のために勉強や、プロの教師として必要な力を身に付けるための勉強ができる素晴らしい研修会です。力のある講師の先生方のお話を素直に吸収することができれば、必ず実力UPできます!

 そして、いろいろな仲間と出会い、刺激し合うことでモチベーションを維持することができます!協力することと同時に負けたくないという熱意を燃やすことで、合格へ何歩も前進することができました!私はぷらすわん無しには、合格はなかったと思っています!ぜひ、採用試験合格、また骨太教師への第一歩として、ぷらすわん研修会で仲間とともに学びましょう!

佐藤一平

「社会人の私でも、参加しやすい研修会でした」
佐藤 一平さん (民間企業勤務→横浜市小学校教員)

 「人に教える」ということを本から教わることって、できるんでしょうか? 本屋に足を運べば、多くの教育書、教採対策本があります。私も何冊か読みましたし、とても参考になりましたが、ぷらすわんの「人」から教わったことには遠く及びません。
 ぷらすわんの先生方からは、面接や論文の作法はもちろん、教師としての「心の在り方」を教わったように思います。そして一緒に勉強した仲間。講義を聴く真剣な眼差しや、面接練習の熱い言葉から大いに刺激を受けました。試験に絶対は無いけれど、いち早く教師になるためには人事を尽くすべきと考えます。ぷらすわんは週末だけなので、大学が忙しい人や私のような社会人にも参加しやすかったです。ぜひ、今までの独学に、ぷらすわん。足を運んで多くの人から学んでください!

スタート地点は、募集要項の入手&出願から!

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さて、教員採用試験の第一歩は、募集要項を入手することです。どこで入手できるかというと、教育委員会の窓口です。郵送を依頼することもできます。毎年、4月~5月ごろに募集要項が配布され始めるので、ホームページなどで注意深くチェックしておきましょう。

募集要項が届いたら、内容をじっくりと読みます。斜め読みをしては、大切な事項を見落とすかもしれません。もう、ここから試験が始まっていると考えましょう。提出期限の確認も忘れてはいけません。

次に必要な書類をそろえます。多くの自治体は、例えば以下のような書類の提出が求められます。

・教員免許状のコピー(大学生の場合は取得見込証明書)

・卒業証書or修了証明書(大学生の場合は卒業見込証明書)

・成績証明書

・健康診断書

・写真

上記はあくまでも例です。自己PR文や推薦書が必要な自治体もあります。

たかが提出書類と思ってはいけません。ぼんやりしていたら、提出期限が間近!やばい!すぐにそろえなきゃ!と、慌てて大学に問い合わせたら「数日はかかる」と言われて大パニック…なんて人が、少なからずいます。

当たり前ですが、願書はていねいに、読みやすい字で書くことが大切です。そうです、ここでも、試験は始まっていると思いましょう。

写真のポイントは清潔感です。服装はもちろん、髪型も要注意です。男性の長髪、長い前髪は、どこか陰鬱ですっきりしない印象を与えます。女性も茶髪は避け、束ねておいたほうがよいでしょう。

教員採用試験は実力勝負、人物勝負です。それなのに、見た目が大切なのか?と問われれば、「イエス」と答えざるを得ません。もちろん、見た目だけで判断するわけではありませんが、見た目の印象はその人の中身も体現してしまうものです。

最近は、就職活動向けに、表情やポーズの作り方も指導しながら、撮影してくれる写真スタジオもあります。最善を尽くしたいなら、そうしたサービスを利用してみてもよいかもしれません。

一人でいくつの自治体を受験できる?

一人でいくつの自治体を受験できる?

教員採用試験の実施主体は、都道府県と政令指定都市合わせて、60以上あります。ならば、いっそ「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」の法則で、すべての自治体を受験してしまえ!…なんて思っても、それが無理なことくらいは、教師を目指す人ならご存じですよね。

そうです。教員採用試験は、隣接する自治体を併願できないように、日程が組まれているのです。

例えば関東地方の1次試験日程(平成25年実施)を見てみると・・・

茨城県 7月14日
栃木県 7月7日~14日
群馬県 7月14日
千葉県 7月14日
埼玉県 7月14日
東京都 7月14日
神奈川県 7月14日

ご覧のとおり、見事なまでに「7月14日(日)」でそろえられています。これでは、併願なんてできるはずもありません。

同じように、関西地方は7月13日前後、九州地方は7月21日前後、東北地方は7月28日前後、といった具合に、隣接する自治体同士が足並みを揃えています。なんだか、いじわるな感じがしますね。

でも、考えてみてください。もし、東京、横浜、埼玉、千葉などを併願することができたら、中には1人で3~4自治体の合格を勝ち取る人も出るでしょう。そうなれば、採用する側は大変です。補欠合格を次々と出すなど、対応にてんやわんやになるでしょう。隣接する自治体が日程をそろえている背景には、そうした事情があるのです。

一方で、地理的に離れた地域なら併願が可能です。例えば以下のようなスケジュールで受験していけば、計6回の1次試験を受けることができます。

6月30日 北海道 → 7月7日 新潟県 → 7月14日 東京都
7
月20日 愛知県 → 7月21日 兵庫県 → 7月27~28日 宮城県
(平成25年の試験日程)

これくらいが限界点でしょうか・・・。ただし、すべて1次試験を突破できても、愛知県と兵庫県の2次試験は、ダブルブッキングする可能性があります。

参考までに、東京に住む人が上記のスケジュールで受験していくと、かかる交通費と宿泊費の概算は、約12~13万円に上ります。

これは極端な例としても、1人で3~4自治体を受けるという人は、珍しくありません。幸い、受験料はかかりませんし、重ねて受験することで、面接対応も上達します。

もし、時間とお金に余力があるならば、採用試験へのモチベーションの維持や本番を体験して力をつけることなどのメリットの他に、ついでにご当地の観光も含めて複数の自治体を受けてみるのも、悪くないかもしれませんね。

知っておきたい教員免許の基礎知識

教室の机

自動車を運転するのに運転免許が必要なのと同様に、教壇に立つには教員免許が必要です。これを持たずして、教師になることはできません。

教員免許の正式名称は「教育職員免許状」。「免許証」ではなく「免許状」なので、大きさは賞状くらいあります。運転免許証と違って、持ち歩いている必要はありませんが、大切に保管をしておく必要はあります。

一言に「教員免許」と言っても、種類はさまざまです。大きく「一般免許状」「特別免許状」「臨時免許状」の三つがありますが、ここでは教員採用試験に必要な「一般免許状」について、詳しく説明をしていきます。

教員免許状は、学校種(小学校、中学校、高校…)などによって、7つの区分に分かれます。そして、この7区分は、免許を取る人の卒業レベルによって「専修免許状」「一種免許状」「二種免許状」に分かれています。これをまとめたのが表1です。

表1 教員免許状の種類
区分 大学院修士課程卒業 4年制大学卒業 短期大学卒業
幼稚園 幼稚園教諭専修免許状 幼稚園教諭一種免許状 幼稚園教諭二種免許状
小学校 小学校教諭専修免許状 小学校教諭一種免許状 小学校教諭二種免許状
中学校 中学校教諭専修免許状 中学校教諭一種免許状 中学校教諭二種免許状
高等学校 高等学校教諭専修免許状 高等学校教諭一種免許状
特別支援学校 特別支援学校教諭専修免許状 特別支援学校教諭一種免許状 特別支援学校教諭二種免許状
養護教諭 養護教諭専修免許状 養護教諭一種免許状 養護教諭二種免許状
栄養教諭 栄養教諭専修免許状 栄養教諭一種免許状 栄養教諭二種免許状

 

表をよく見てください。一つ空欄がありますね。そうです。高等学校の免許状だけは、短大卒では取ることができません。要注意です。

よって、免許状の種類は計20種類!…と言いたいところですが、厳密に言うと、中学校と高等学校の免許は教科別に分かれていますので、正確な種類数はこれよりもずっと多いことになります。

さて、気になるのは、「専修」「一種」「二種」の違いです。「専修」を取ると何か有利なことがあるのでしょうか? また、「二種」だと不利なことがあるのでしょうか?

専修免許について言えば、「取った方が得!」と言い切ることはできません。ただ、「取っておいて損はない」とも言えます。

例えば、初任給は最終学歴によって変わるので、大学院を修了した専修免許取得者のほうが、大卒の一種免許取得者よりも少しだけ高くなります。ただ、専修免許の場合、大学院卒なので、教壇に立つのは最速でも24歳です。そのため、

大学卒業 → 一種免許を取得 → 正規採用教員2年 → 正規採用教員3年目
大学卒業 → 大学院進学 → 専修免許を取得 → 正規採用教員1年目

上記は同じ24歳ですが、給与の差はほとんどありません。

また、専修免許を取ると「採用されやすい」「出世しやすい」との噂がありますが、決してそうとも言えません。以前は、そうした傾向が多少あったかもしれませんが、今の教育現場は実力主義。採用も出世も、人物や実績で判断されます。

同じことは、二種免許についても言えます。二種免許で採用されている人はたくさんいますし、名教師への道を歩んでいる人もいます。

ただし、二種免許の場合は、先ほど述べたように、高校教師になることはできません。また、一種免許へ切り替える「努力規定」があって、教育委員会が行う講習などを受けるように言われる可能性があります。

教師に求められるスキルの多くは、現場で身に付きます。そう考えれば、大学院には行かずに、少しでも早く現場へ出ることのメリットは大きいかもしれません。

もちろん、「もっと学びたい」という思いを持って、大学院へ進むならそれは立派なことです。ただ、もし採用や出世に有利だから…などと考えているならば、大学院への進学はおすすめしません。

教員免許状取得への道のり(小学校編)

笑顔の小学生男女と女性教師

小学校の先生は、国語、算数などの主要教科から、音楽、体育などに至るまで、全教科を教える力が求められます。加えて、1~6年生まで、全学年を教える力も求められます。それだけに、教員免許状取得への道のりも容易ではありません。

それでは、小学校教員免許状取得までの道のりを見て行きましょう。

まず、最低限必要なこと。それは、「高等学校を卒業していること」です。中卒では原則として教師になれません。ただし、大検(大学入学資格検定)に合格していれば大丈夫です。

高校卒業(大検合格)後の道のりは、大きく三つに分かれます。

①小学校教員養成課程のある大学の学部・学科に進学
②上記①以外の大学に進学後、他大学へ編入or通信教育課程などで必要な単位を取得
③小学校教員資格認定試験に合格

小学校の先生になりたい人の多くは、①を選択します。小学校一種免許状が取得できる大学の一覧は、以下のとおりです。

小学校教員一種免許状が取得できる大学

小学校教員二種免許状が取得できる大学

小学校教員専修免許状が取得できる大学

(平成21年4月1日現在)

ご覧いただいてわかるように、すべての都道府県に最低一つは、小学校になるための大学があります。ただし、一県に一大学のみ、という所も少なくありません。

小学校の教師になる一番の近道は、やはりこれらの大学に進学することです。②、③の道のりに比べても確実です。いわば、小学校教師になるための「王道」といえます。

ただ、これらの大学に行くと、民間企業への就職は厳しくなります。もちろん、うまく転進する人もいますが、就職率は高くありません。その意味では、①の道を歩むのなら「自分は絶対に小学校の教師になる!」と、覚悟を固めておいたほうがよいでしょう。

次に、国立と私立の比較で言うと、どちらが免許状を取りやすい、取りにくいというのはありません。どちらも、真面目に学んでいけば、ほぼ間違いなく免許状を取れます。

気になるのは、その先の採用試験です。「国立のほうが有利」なんて言う人がいますが、本当にそうなのでしょうか。

結論から言うと、断じてそんなことはありません。大学名や国公私立の差別はなく、教員採用試験の選考は公平平等に、「学歴不問」の「実力勝負」で行われています。

ただ、教員採用試験には一般教養の筆記試験があり、ここで求められる能力は、センター試験で求められる能力と似ています。そのため、センター試験の勉強を積んできた国立大学の学生に、やや有利に働く側面はあるのかもしれません。

小学校の教師になる!という決意を固めきれていない人には、②の選択肢があります。ただし、この道を通って小学校教員の免許を取るのは、なかなか大変です。大学4年間の他に、数年は必要だと考えたほうがよいでしょう。

例えば、小学校免許状を取らないまま社会人になった人が、「やっぱり先生になりたい!」と思った時なども、②の道のりと同様、通信教育課程などを使って免許状を取ることができます。

③の小学校教員資格認定試験(文部科学省)は、①②とは全く異なる、いわば「奥の手」です。チャンスは年1回。1次試験が8月末、2次試験が10月下旬、「指導の実践に関する事項に係る試験」が11月中旬に行われ、十分な能力が備わっていると認められた人にのみ、小学校免許状が授与されます。ただし、授与されるのは「二種免許状」です。

この試験、合格するのは容易じゃありません。合格率は、毎年1割以下。そうですよね。これで簡単に取れるようなら、教員養成課程の大学なんて、誰も行かなくなってしまいます。

いずれにせよ、小学校教員免許状取得への道のりは、そう簡単ではありません。教師は専門職ですから、当然といえば当然です。強い決意を持って臨んでください。

教員免許状取得への道のり(中学・高校編)

高校生イメージ

小学校の教員免許状が、専修、一種、二種の種別ごとに一種類なのに対し、中学校と高校の教員免許状は、教科別に分かれています。当たり前ですが、国語を教えるためには国語の免許状が、数学を教えるためには数学の免許状が、必要になってきます。

教科の種類をまとめたのが表1です。

表1 中学校・高校の教員免許状の種類
中学校 高校
国語/数学/理科/社会/保健体育/音楽/美術/家庭/技術/職業/職業指導/職業実習/宗教/外国語(英語、中国語、フランス語、ドイツ語、その他の言語に分かれる) 国語/数学/理科/社会/保健体育/音楽/美術/家庭/技術/職業指導/職業実習/宗教/外国語(英語、中国語、フランス語、ドイツ語、その他の言語に分かれる)/看護/情報/農業/商業/水産/福祉/商船

 中学校を順番に見ていくと「技術」までは分かるとして、「職業」以降は「?」と思った人もいるでしょう。外国語も「英語」以外は、「中学校で教えることなんてあるの?」と、疑問に思う人がいるはずです。

たしかに、公立の中学校にこれらの教科はありません。ただ、特別支援学校には「職業」などの教科があり、私立の宗教系の中学校や高校には「宗教」の授業があります。

また、大学の中には英語以外の外国語で受験できる所もあるため、私立の中高一貫校の中には、希望者に中国語やフランス語を教えている学校もあります。

こうして見ると、中学校・高校の教員免許状は種類が豊富で、広く門戸が開かれているように思えます。ただ、「職業」や「宗教」、英語以外の外国語などは、免許状を取得できる大学が限られていますし、採用試験も狭き門です。もし、「ついでに取っておこう」程度に考えている人がいたら、安易な考えは持たないほうがよいでしょう。

さて、上記を踏まえて、中学校・高校の教員免許状取得までの道のりを具体的に見ていきましょう。

まず、最低限必要なのは、「高等学校を卒業していること」です。この点は、小学校と同じで、中卒では原則として教師になれません。ただし、大検(大学入学資格検定)に合格していれば大丈夫です。

高校卒業(大検合格)後の道のりは、大きく二つに分かれます。

①中学校・高校各教科の免許状が取得できる大学の学部・学科に進学
②上記①以外の大学に進学後、他大学へ編入or通信教育課程などで必要な単位を取得

「中学校か高校の先生になりたい!」という人の多くは、①を選択しています。中学校・高校の免許状が取得できる大学は、以下のとおりです。

中学校・高校の教員免許状が取得できる大学

(平成21年4月1日現在)

一種免許状が取れる大学数は、国語が331、数学が488、理科が795、社会が1320などとなっています。小学校の一種免許状を取れる大学数が219ですから、中学校のほうが多いことが分かります。つまり、免許を取れる大学数だけで見れば、中学校の免許状は、小学校よりも「取りやすい」と言うことができます。

一方で、「取りやすい」=「持っている人が多い」ことでもあります。それはすなわち、採用試験のライバルが多いということです。でも、1000以上の大学で免許が取れる社会科は、採用試験の倍率も高い傾向があります。

なお、同一教科であれば、中学校と高校の両免許状を取るのは、さほど難しくありません。実際、多くの大学生がそのようにして、採用試験の段階で中高どちらを受けるかを決めているようです。

①以外の大学へ進んだ後、突然「やっぱり教師になりたい!」と思い立った人には、②の道のりがあります。その場合は、大学の教務課などに相談して、どうすれば免許状取得に必要な単位がそろうか、確認をするようにしましょう。

ちなみに、小学校にある「教員資格認定試験」は、中学校には存在しません。また、高校では一部の教科で行われていましたが、2004年度に休止されています。

すなわち、中学校・高校の教師になるには、大学へ通って、地道に単位を取得していくしかありません。気合を入れて、がんばってください!

教員免許状取得への道のり(特別支援学校編)

ドッヂボールをする小学生男子と女性教師

「特別支援学校」という名称に、馴染みのない方もいるでしょう。以前は、「特殊学校」と呼ばれ、盲学校、ろう学校、養護学校の三つに分かれていました。それらが「特別支援学校」として一本化されたのは、2007年のことです。

特別支援学校には、幼稚部、小学部、中学部、高等部などがあります。つまり、年齢的には4才から18才まで、実に幅広い年齢の子どもが在籍しています。視覚に障害のある子もいれば、聴覚に障害のある子もいます。また、知的な発達が遅れている子もいれば、身体が不自由な子もいます。

それだけに、特別支援学校の教員には、さまざまな個性と能力の子どもたちに、柔軟に対応していく力が求められます。小中学校の先生とは、求められる教育的な技術も違ってきます。

とはいえ、「子どもを育てて、社会へ送り出す」という、教育者としての役割自体に何ら変わりはありません。つまり、「教員としての資質」と「特別支援教育を実施していく能力」の両方が求められるわけです。そのため、特別支援学校の教員免許状を取得するには、小、中、高校のいずれかの教員免許状を基礎資格として持っていなければなりません。

それでは、特別支援学校教員免許状取得までの道のりを見て行きましょう。

まず、最低限必要なのは、「高等学校を卒業していること」です。中卒では原則として教師になれません。ただし、大検(大学入学資格検定)に合格していれば大丈夫。この点は、小学校や中学、高校の教員免許状と同じです。

高校卒業(大検合格)後の道のりは、大きく三つに分かれます。

 ①特別支援学校の免許状が取得できる大学の学部・学科に進学
 ②上記①以外の大学に進学後、他大学へ編入or通信教育課程などで必要な単位を取得
 ③特別支援学校教員資格認定試験に合格

一般的なのは、やはり①です。特別支援学校の免許状が取得できる大学は、以下のとおりです。

特別支援学校教員一種免許状が取得できる大学

特別支援学校教員二種免許状が取得できる大学

特別支援学校教員専修免許状が取得できる大学

(平成21年4月1日現在)

一種免許状の場合、取得できる学校数は163。小学校や中学校、高校よりも少なめです。また、よく見ていくと、私立よりも国立・公立が圧倒的に多いことがわかります。

①以外の大学へ進学した後、ボランティア活動などを通じて、「特別支援学校の教師になりたい!」と思い立った人には、②の道のりがあります。まずは、大学の教務課などに相談して、どうすれば免許状取得に必要な単位がそろうか、確認をするようにしましょう。

また、③の教員資格認定試験は、①②とは全く異なる、いわば「奥の手」です。チャンスは年1回。1次試験が8月末、2次試験が10月下旬に行われ、11月下旬までに合格者が発表されます。難易度は高いですが、合格した人には、一種免許状が授与されます。この点は、二種免許状が授与される小学校と異なる点です。

余談ですが、現状、特別支援学校の教員のすべてが、この免許状を持っているわけではありません。所持率は、平成22年時点で70%。つまり、特別支援学校の教員免許状を持っている人が「足りていない」のです。

そのため、特例措置として、小学校の免許を持っていれば特別支援学校の小学部で、中学校の免許を持っていれば同じく中学部で、教員を務められる制度になっています。

こうして考えると、特別支援学校の教員免許状の付加価値は大きく、採用試験において有利に働く可能性があるかもしれません。

教員免許状取得への道のり(養護教諭編)

カルテを持った女性看護士

教員免許状は、基本的に学校種別に分かれていますが、例外の一つがこの養護教諭です。「養護教諭」というより、「保健室の先生」といったほうが、子どもたちには馴染み深いでしょう。

「保健室の先生」といえば女性をイメージする人が多いですが、決して女性に限定された資格ではありません。最近は、保育士や看護師などの領域への男性の進出も進んでいます。志のある人は、ぜひ目指してみてください。

それでは、養護教諭教員免許状取得までの道のりを見て行きましょう。

まず、最低限必要なこと。それは、「高等学校を卒業していること」です。中卒では原則として教師になれません。ただし、大検(大学入学資格検定)に合格していれば大丈夫。この点は、他の教員免許状と同じです。

高校卒業(大検合格)後の道のりは、大きく二つに分かれます。

①小学校教員養成課程のある大学の学部・学科に進学
②上記①以外の大学に進学後、他大学へ編入or通信教育課程などで必要な単位を取得
③保健師資格を持ち、かつ特定の単位を履修している人が自治体に申請

養護教諭になりたい人の多くは①の道のりを選択します。養護教諭の教員免許状が取れる大学は、以下のとおりです。

養護教諭の一種教員免許状が取得できる大学

養護教諭の二種教員免許状が取得できる大学

養護教諭の専修教員免許状が取得できる大学

(平成21年4月1日現在)

一種免許状が取得できる大学数は、全国で143。小学校や中学校、高校よりも少なめです。また、よく見ていくと、特別支援学校の教員と同じく、私立よりも国立・公立が圧倒的に多いことがわかります。

①以外の大学へ進学した後、突如として「養護教諭になりたい!」と思い立った人には、②の道のりがあります。まずは、大学の教務課などに相談して、どうすれば免許状取得に必要な単位がそろうか、確認をするようにしましょう。

続いて③についてですが、この点については誤解をしている人も多いので、少し説明をしておきます。以前、保健師の資格があれば、養護教諭の二種免許を「申請」だけで取れるという状況がありました。事実、そうして取得した保健師もたくさんにます。

ただ、最近は状況が違います。保健師資格を持つ人が養護教諭の二種免許を取得するうえで、大学で必要な単位を取得している必要があり、以前はそれを証明する書類(履修証明)を出さずとも、申請が通っていました。ところが、それではマズイということで、国が「しっかり、確認するように!」と各自治体に指導するようになったのです。

そのため、保健師が養護教諭の免許状を取得するには、必要な単位を履修していなくてはいけません。そのことを知らず、必要な単位を履修しないまま、保健師と養護教諭の両方の資格を取れると思っている人がいるので、注意が必要です。

教員免許状の取得に必要な単位

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どのような道のりを歩めば教員免許状が取れるかについては、「教員免許状取得への道のり」の記事で、学校種別に見てきました。

もちろん、その道のりを行けば、誰でも教員免許状を取れるわけではありません。それぞれの道のりで、しっかりと必要な「単位」を取っていかなければなりません。例えて言えば、自分が歩んでいった道の木々に成る「実」を一つ一つ、しっかりともぎ取っていくことで、教師の「お墨つき」(免許状)がもらえるのです。

言い換えれば、どの道を通ろうと、必要な実さえそろえれば、お墨つきはもらえます。ある道を通って、必要な実の半分をそろえて、その後数年が経った後に、別の道を通って残り半分の実をそろえてもかまいません。

 すなわち、必要な単位をしっかりとそろえれば、教員免許状は取得できるのです。年齢制限はないので、何歳になっても大丈夫です。ただし、採用試験において、年齢制限を設けている自治体があるので、その点は注意が必要です。

では、具体的にどんな単位をどれだけそろえればよいのでしょうか。小・中・高校の免許状の必要単位数を示したのが、表1です。

表1 教員免許状の取得に必要な単位数(小・中・高校)
    教科に関する科目 教職に関する科目 教科又は教職 その他 合計
小学校教諭   専修 8 41 34 8 91
一種 8 41 10 8 67
二種 4 31 2 8 45
中学校教諭   専修 20 31 32 8 91
一種 20 31 8 8 67
二種 10 21 4 8 43
高等学校教諭  専修 20 23 40 8 91
一種 20 23 16 8 67

  いずれの校種も、専修免許状が91、一種免許状が67となっています。教員養成系の大学では、これだけの単位を6年間もしくは4年間で習得できるよう、カリキュラムが組まれています。

「教科に関する科目」とは、国語なら国語について、社会なら社会について、専門科目の知識を深めるための科目です。中学校や高校の教師は教科担当制ですから、小学校よりもこれが多いのは当然ですね。

一方で「教職に関する科目」は、教師として求められる基本的資質を高めるための科目です。具体的には、教師の役割や職務について知識を深めたり、教育に関する歴史を学んだり、公立学校の制度や仕組みを学んだりします。教科の知識以外の「教師として求められる総合力」を高めるための科目と言ってもよいでしょう。

「教科に関する科目」と「教職に関する科目」は、必要数に上乗せして履修していくことで「教科又は教職」にカウントされます。例えば、小学校の「教科に関する科目」を24単位、「教職に関する科目」を59単位取得すれば、それぞれの上乗せ分が16+18=34単位となり、「教科又は教職」の必要数を満たすことになります。

なお、「その他」は、「日本国憲法」「体育」「外国語コミュニケーション」「情報機器の操作」を各2単位、計8単位です。うっかり落としてしまう人もいるので、注意しましょう。

続いて、特別支援学校の免許状の必要単位数を示したのが表2です。

表2 教員免許状の取得に必要な単位数(特別支援学校)
    特別支援教育の基礎理論に関する科目 特別支援教育領域に関する科目 免許状に定められることとなる特別支援教育領域以外の領域に関する科目 障害のある幼児児童生徒についての教育実習 合計
特別支援学校教諭 専修 2 16 5 3 26
一種 2 16 5 3 26
二種 2 8 3 3 16

必要単位数の合計は16~26。「え?これだけでいいの?」と思う人もいるでしょうが、もちろん、そんなことはありません。特別支援教育の免許状は、基礎資格として小・中・高校の免許状が必要で、これらの単位はプラスアルファで取らねばいけないのです。

続いて、養護教諭の免許状の必要単位数を示したのが表3です。

表3 教員免許状の取得に必要な単位数(養護教諭)
    養護に関する科目 教職に関する科目 護又は教職 合計
養護教諭 専修 28 21 31 80
一種 28 21 7 56
二種 24 14 4 42

 養護教諭は、「教諭」と付く以上は授業も行うことができるわけですが、実際にほとんど教壇に立つことはありません。それなら、養護に関する知識や技能さえあれば事足りるような気もしますが、実際には「教職に関する科目」も、結構な数の単位を習得しなければなりません。

これは、養護教諭の仕事が、学校の教育活動と深く結びついていることの証でもあります。言い換えれば、学校のこと、教育のことをよく理解していないと、決して務まらない仕事なのです。