教員採用試験にも、民間企業の就職活動にも、必ず面接があります。面接をせずに、内定を出す企業というのは、おそらく存在しません。よほど明晰な頭脳を持つ人でも、人物を見てから判断したいというのが、採用する側の意向なのです。
すなわち、就職を志す人は、すべからく「面接」という門をくぐります。それだけに、たくさんのマニュアル本も出ています。教員採用試験を受ける人の中にも、そうした本を手に取ったことのある人がいるかもしれません。
時に、こうした書籍が役に立つこともあります。しかし、頼りすぎは禁物です。特に、面接で話す内容までは、いくら良い想定問答集があったとしても、それで100%カバーされることはありません。
ずっと以前は、こうした想定問答集が大いに役立った時代もありました。「教員になりたいと思った理由は?」「どんな教師になりたい?」などの質問を想定し、書籍にある模範的な答えを頭に叩き込んでおけば、ある程度は対応ができたのです。
しかし、敵もさるもの。面接に来る人が、どの人も似たような模範回答をするようになり、それでは人間性が見えてこないという理由ことから、受験者が想定できない「変化球」を投げてくるようになったのです。
変化球ですから、直球待ちの想定問答集では対応できません。100の質問に100の回答を頭に叩き込んでいけば、ある程度は当たるかもしれません。でも、質問のバリエーションが100にとどまるはずはなく、マニュアル的に暗記していった人ほど、外れた時のパニックは大きくなります。
では、どうすればよいのでしょうか。「骨太」になること以外に道はありません。学校について知り、教師について考え、教育の未来を思い描く。そうして、自らの「学校論」「教師論」「教育論」を磨き上げていくしかないのです。
そうすれば、どんな変化球や魔球が来ようとも、すんなりとバットを出せます。たとえ、ホームランを打てなくても、前に飛ばすことくらいはできるでしょう。
では、具体的に何をすればよいか。教育関連書を読むことも大切ですが、何より「人と話す」こと「現場とかかわる」ことが大切です。仲間と教育の未来について議論をしてもよいですし、知り合いの先生(先輩など)から話を聞いてもよいでしょう。あるいは、ボランティアとして学校に入るのもよいと思います。
もちろん、「ローマは一日にして成らず」ということわざがあるように、「学校論」や「教師論」がすぐに完成するはずはありません。大切なのは、少しでも多く、自らの目で見て、耳で聞いて、「骨太」になることです。
「採用試験合格」という目先の目標より、「未来」を見据えることが大切なのです。そうした視線で面接に臨めば、必ず試験官にも好印象を残すに違いありません。
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