教員採用試験を行うのは、都道府県や政令指定都市などの自治体です。当然、競争倍率も、自治体によって違ってきます。少し前ですが、平成24年度のデータがあるので見てみましょう。倍率が高い順に並べると・・・
宮崎県 | 14.4倍 |
長崎県 | 13.0倍 |
熊本県 | 12.3倍 |
青森県、鹿児島県 | 11.2倍 |
沖縄県 | 10.7倍 |
(文部科学省「平成24年度 公立学校教員採用選考試験の実施状況について」より引用)
なぜか、九州地方が上位を独占しています。一方で、低い自治体はというと…
滋賀県 | 3.9倍 |
浜松市 | 4.0倍 |
富山県、北九州市 | 4.1倍 |
石川県、静岡市 | 4.3倍 |
千葉県・千葉市、香川県、大阪市 | 4.5倍 |
(文部科学省「平成24年度 公立学校教員採用選考試験の実施状況について」)
政令指定都市が目立ちます。あるいは、子どもの数が多い地域、増えている地域が、上位に来ているのかもしれません。
ただ、「倍率が低い所を受けよう」なんて安易な気持ちは禁物です。教師として採用されれば、その地域で一生を送る可能性は高いわけで、親兄弟や親戚と離れた地で、ゼロからやっていくだけの「覚悟」が必要です。
また、「なぜ、うちの自治体を受けるのですか?」という面接官の質問に、説得力のある答えを用意しておく必要もあります。「倍率が低かったからです!」なんて答えたら、即刻「不合格」の烙印を押されてしまいます。
ただ、隣接する自治体のどちらを受けるかで悩んでいるときなどは、競争倍率を一つの判断材料にすることもありでしょう。ただし、本当の競争倍率はフタを開けてみなければわかりません。低いと思っていた自治体が、予想外に高くなることだってあり得ます。
結論から言えば、自治体の競争倍率は、さほど意識はしないほうがよいと思います。むしろ、その自治体の教育理念、考え方などに共鳴できるかどうか、その地域に住みたいかどうかといった基準で選んだほうがよいでしょう。