免許状があるだけでは教師になれない!

授業中挙手をする小学生

教師になるまでのステップは、二つあります。一つ目のステップは、教員免許状を取得すること。二つ目のステップが、教師として採用されることです。いわば、教師への「就職試験」を通過しなくてはならないわけです。

教員採用試験を行うのは、各都道府県と政令指定都市です。ただし、北海道と札幌市のように、一部では合同で実施している所もあります。運転免許証を持っていれば日本中の道路を走れるのと同様に、教員免許状を持っていれば、日本全国どの自治体の採用試験を受けても構いません。

「採用」の形態は、大きく二つあります。一つは、教員採用試験に合格して正規採用教員となること、もう一つは「臨時的任用教員」として採用されることです。

一般的に、教師というと、正規採用教員をイメージする人が多いでしょうが、公立の小中学校には臨時的任用教員もたくさんいます。その中には、担任や部活動の顧問をしている人も少なくありません。

臨時的任用教員が、全体のどのくらいの割合に上るかというと、平成23年時点で8.8%(文部科学省「非正規教員の任用状況について」2012)です。その割合は年々増えています。この点は、意外と保護者には知られていません。

採用試験に合格すると、翌年4月から正規の本採用教員として、学校へ赴任します。一方、残念ながら合格できなかった人はどうするかというと、多くの人は現場で働きながら、翌年度の合格を目指します。臨時的任用教員の多くは、こうした人たちです。

もちろん、希望すれば誰でも臨時的任用教員になれるわけではありません。自治体に登録を申し込み、名簿に登載された後、必要に応じて声がかかります。自治体によっては、面接や試験が行われる所もあります。

臨時的任用教員が行う日々の仕事、背負う責任は、正規採用教員とほぼ同じです。そのため、初任給に大きな差はありません。ボーナスもきちんと出ます。

ならば、ずっと臨時的任用教員でいてもよいのでは・・・と思ってしまいそうですが、やはり長く勤めると給与額は開いていきますし、社会保障や退職金などは大きく違ってきます。ですから、絶対に教員採用試験に合格して、正規採用教員への道を目指すべきです。